◆「粉選び」は麺づくりの最重要ポイント!
自家製麺を導入しようとする飲食店オーナーの方から、よくこんな質問をいただきます。
「業務用製麺機って、どんな小麦粉でも使えるんですか?」
答えは「Yes」ですが、実はどんな粉を使うかで麺の仕上がりは驚くほど変わるというのが現実。
つまり、小麦粉の選定こそが“美味しい麺”の第一歩なんです。作れますよ。

◆小麦粉の「力(ちから)」って?
製麺に使う小麦粉には「等級」や「タンパク質量」などの分類があり、これらが麺のコシ・弾力・のど越しに大きく影響します。
小麦粉の分類は大きく次の3つ
分類 | タンパク質量 | 主な用途 |
強力粉 | 11〜13%以上 | ラーメン、中華麺、パン |
中力粉 | 9〜11%程度 | うどん、お好み焼き |
薄力粉 | 7〜9%程度 | お菓子、てんぷら衣など |
ここで重要なのが「グルテンの量」=タンパク質量
このグルテンが多いほど、コシのある麺に仕上がります。
◆ラーメン向けには「強力粉」+「かんすい」!
ラーメンに使用する粉は、たんぱく質を多く含む「強力粉」が基本。
さらに、「かんすい(アルカリ塩水溶液)」を加えることで、ラーメン特有の黄色味・コシ・風味が生まれます。
▼ラーメン粉の特徴:
- 高たんぱく(グルテンが豊富)
- 粘りと弾力がある
- かんすいとの相性が良い
製麺機でしっかりと練ることで、つるっとした食感と歯ごたえのある麺ができます。こんな方にはピッタリですね。
◆うどんには「中力粉」!粉によって食感が変わる
うどんの「もちもち食感」は、中力粉の仕業。
強力粉だとコシが強くなりすぎ、薄力粉だとブチっと切れやすい麺に。
▼うどん粉の特徴
- 粘りとやわらかさのバランスが良い
- 太麺にも対応しやすい
- 水の吸収がよく、練りやすい
また、讃岐うどんや武蔵野うどんなど、地方によって粉のブレンド比率が違うのも面白いところです。さまざまな麺を打ち分けることが可能です。
◆そば粉の取り扱いには注意が必要!
そばの場合は「そば粉」+「つなぎ(小麦粉)」が基本。
製麺機では、そば粉100%(十割そば)に挑戦することもできますが、水加減や押し出し圧力の調整が非常に繊細になります。
▼そば粉のポイント:
- 風味は抜群だが、つながりにくい
- 通常は二八そば(そば粉80%、小麦粉20%)が主流
- 十割そば対応の製麺機には限りがある
製麺機選びの段階で「そば対応モデル」を選ぶことが大切です。
◆製麺に適した「ブランド粉」も存在する
業務用では、製麺に特化したプロ仕様の小麦粉ブランドも多く存在します。
一例
日清製粉「オーション」 | ラーメン業界で有名な強力粉。武骨な食感が魅力 |
ニップン「めん匠」シリーズ | うどんやラーメンに特化した多品種ライン |
江別製粉「春よ恋」 | 北海道産の高級強力粉。小麦本来の風味が特徴 |
こうしたブランド粉は、単にスペックが優れているだけでなく、製麺機との相性が良いように設計されていることも多いです。
◆製麺機との“粉の相性”を見極めるには?
同じ粉でも、製麺機の構造や性能によって仕上がりが変わることがあります。たとえば、
- 水回しの均一性
- 練りの強さ
- ローラーの圧力
- 切刃の種類
こうした要素が粉との相性を左右します。
実際に試作を重ねて微調整するのが、プロの現場では当たり前。
一見地味な工程ですが、ここが“名店の味”を支えているんです。

◆まとめ|美味しい麺は、まず「粉選び」から!
業務用製麺機を使いこなすうえで、「どんな粉を選ぶか」=「どんな麺をつくるか」といっても過言ではありません。
製麺は科学であり、職人技でもあります。
こだわりの粉、こだわりの加水、こだわりの機械──その組み合わせこそが、唯一無二の麺を生み出すのです。自家製麺を導入する飲食店にとって、小麦粉の選定は“味の設計図”のようなもの。
機械任せではなく、素材にまでこだわることで、リピーターを生む「一杯」が完成しますよ!
気になる機種、製麺機の導入、自家製麺の作り方について
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