飲食店の厨房設備をサポートしている中で、製麺機を導入されるお客様と話していると、意外と見落とされがちなのが「水回し(加水工程)」の重要性です。
「とりあえず水を入れて混ぜるだけでしょ?」なんて思っていると、美味しい麺は作れません。
実はこの工程、麺のコシ・なめらかさ・茹で上がりの食感に直結する、とても大事なステップなんです。
今回は、「水回し」がなぜ重要なのか、業務用製麺機ではどのように行うのか、そのポイントを詳しくご紹介します。

◆「水回し」とは何か?
水回しとは、小麦粉に水やかんすい(アルカリ塩水溶液)などを加えて、粉全体に均等に水分を行き渡らせる作業です。
これは製麺における最初の工程で、すべてのベースとなる部分です。
- 均等に水分が回れば、なめらかで弾力のある麺に
- ムラがあれば、粉っぽさやボソボソした食感になる
つまり、“水の混ぜ方ひとつで、麺の出来が大きく変わる”ということなんです。
◆「加水率」が味と食感を左右する
加水率 | 特徴 | 向いている麺 |
30〜34% | 硬め・低加水 | 中華麺(博多ラーメンなど) |
35〜39% | 標準 | 多くのラーメン、つけ麺 |
40%以上 | やわらかめ・高加水 | うどん、もちもち系ラーメン |
加水率が高いと麺がしっとりし、もちもち感が出ます。逆に低加水だと、歯切れのよい食感に。
「自分の店に合った麺」を作るには、この加水率の調整がカギになります。
◆業務用製麺機での水回しはどうやってる?
家庭での手打ちなら手で混ぜますが、業務用では**ミキサー(混練機)**を使います。
このミキサーの性能が、実はとっても重要。
◎ポイントは「撹拌力」と「均一性」
- 強力なモーターで一気に混ぜることで、短時間で水が回る
- 粉の中の気泡やダマを潰し、均一に仕上げる
- 粘りが出る前に止めることで、次の工程がスムーズになる
上位機種では、ミキサーの回転スピードや混練時間を細かく設定できるため、再現性の高い製麺が可能です。
◆プロが語る「失敗しがちな水回し」パターン
- 水を一気に入れてしまう
→ 粉にムラができて、ダマになりやすい。数回に分けて加水するのが理想。 - 加水率の設定を間違える
→ 湿度や粉の種類によって吸水性が違うため、数値は微調整が必要。 - 練りすぎてグルテンが出過ぎる
→ グルテンが出すぎると、粘りが強くなりすぎ、後の圧延で割れやすくなる。
実は「加水のタイミング」「温度管理」「湿度への対応」など、水回しのコントロールは意外と奥が深いのです。
◆高性能ミキサーを選ぶメリットとは?
最新の業務用製麺機には、「自動加水システム付きミキサー」を搭載したものもあります。
- 水量を自動で計量・噴霧
- 均一に混ぜられる設計
- 回転速度・時間のプリセット可能
- 脱着・洗浄がラク

製麺機(新品)品川麺機 マイティー50
こうしたミキサーを導入すれば、「誰が作っても同じ品質の麺」が実現できます。
これって実は、人手不足やスタッフ教育の負担軽減にもつながるんですよ。
◆手動 vs 自動|加水工程はどちらが良い?
項目 | 手動(職人技) | 自動(機械制御) |
柔軟性 | 高い | 中程度 |
再現性 | 低い(人による) | 非常に高い |
時間効率 | 長い | 短い |
洗浄の手間 | 少なめ | やや多め(構造による) |
店舗のスタイルやスタッフ構成によって、どちらが適しているかは異なりますが、安定した味の提供を目指すなら、自動加水ミキサーは非常に心強い味方です。
◆まとめ|水を制する者は、麺を制す!
水回しはただの「混ぜる工程」ではなく、麺の出来を左右する重要なプロセスです。
特に業務用製麺機では、その“初動”である加水の精度が、製麺全体のクオリティを決めると言っても過言ではありません。
- 加水率の調整
- 均一な水分分布
- 混練の力加減と時間
- ミキサーの性能選び
こうした点にこだわることで、自家製麺のクオリティは一段と高まります。
“お店の味”を支える麺。その麺を支えるのは、目立たないけど確実な「水回し」なのです。
気になる機種、製麺機の導入、自家製麺の作り方について
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