ラーメンの麺の太さに合わせた製麺機の選び方・切刃番手の種類を解説!

製麺機導入を検討される際に初めにヒアリングさせていただくことが、「どういうラーメンを作りたいのか」ということです。
中華そば、とんこつラーメン、味噌ラーメン、つけ麺、横浜家系、二郎系等ラーメンにはいろいろな種類が存在します。ラーメンの味に大きく関わる麺の太さ・麺の太さには切刃番手という規格が定められ、それに基づいて番号が割り振られています。その番号にはどのような意味合いがあるのでしょうか?また、太麺や細麺などは切刃番手ではどう表されるのでしょうか?

切刃番手とは

切刃番手はJIS(日本工業規格)で決められている規格です。幅30mmの麺帯から麺を切って何本の麺線にするかを決めているものになります。
切り刃番手の数字は1~30まであって、数字が小さいほど太麺に、数字が大きいほど細麺になります。

ちなみに、切刃番手の切り刃とは、文字どおり製麺所で麺を切るために製麺機にセットされる刃のことです。
以下の写真のように、麺帯から麺線に切り分けていくための刃が並んでいます。

例えば、20番の麺であれば、30mm幅の麺を20等分に切り分けた場合の麺の太さ、ということになります。つまり、番号自体が基準となる30mm麺から切り分けた本数を示しているわけです。

30mmを切刃番手の番号で割ることによって、その番号の麺の太さを算出することもできますし、30mmを実際の麺の太さで割ることによってその麺が切刃番手では何番なのか求めることもできます。

30(mm)÷切刃番手の番号[切り出される本数]=麺の太さ(mm) 
30(mm)÷麺の太さ(mm)=切刃番手の番号[切り出される本数]

切刃番手とは

麺の太さに関して、太麺や細麺あるいは普通麺、中太麺、極太麺などと言った耳に馴染みのある呼称がよく用いられます。では、それら太麺や細麺などそれぞれの呼び名は、切刃番手では具体的に何番から何番までを表しているのでしょうか?

実のところ太麺細麺などの感覚的な捉え方には個人差があり、明確に断言することはできません。あくまで一般的な目安ではありますが、以下のように言えるのではないかと思われます。

・8番~10番(太さ:3.0mm~2.2mm)→極太麺
・12番~14番(太さ:1.875mm~1.7mm)→太麺
・16番~18番(太さ:1.875mm~1.7mm)→中太麺
・20番(太さ:1.5mm)→普通麺
・22番~26番(太さ:1.4mm~1.15mm)→細麺
・28番~30番(太さ:1.1mm~1.0mm)→極細麺

先程も申し上げた通り、太麺や細麺などの認識には感覚的な個人差があります。感覚の差異により、太いか細いかの捉え方が人によって食い違ってしまう定性的なものです。しかしながら、太さを定量的に数値化した切刃番手で判断すれば、感覚的な相違が生じることなく誰でも同じ基準で認識することができます。

麺の厚さの出し方

麺の幅はわかったが、麺の厚さはどうなる・・・と思われた方もいらっしゃるでしょうね。
麺は立体なので、幅×暑さ×長さでサイズが決まります。

麺の厚さ(麺帯厚と呼びます)は切刃の幅の3/4が標準となります。
計算式としては、麺幅×0.75になります。
人間の口は横長なので、麺は完全な丸型や四角型では食べにくいんでしょうね。
基本はやや横長の平べったい麺に加工するということです。

実際、きしめんは極端に平べったい麺ですが、普通のラーメンも僅かながらに平べったく、高さは幅の3/4サイズになっているというわけです。

切刃で麺帯を切る

①切刃で(麺帯を麺線に)切る

図①

「材料を切る」と一言でいっても 「切断」 と 「剪断」 とでは そのメカニズムに雲泥の差があります

例えば、「鋭利な出刃包丁で硬くなった鏡餅を切る」 場合の切れ方は 〔図①〕のように刃の側面が “くさび”のように 裂け目の両側を押し開きながら シャープエッジの
先端に裂け目Xを先行して形成し切っていく というイメージで説明できます。

図②

一方「刃先のない豆腐包丁で絹ごし豆腐を切る」場合のイメージはちょうどスキー板で新雪の上に載るときの状態に似ています。

スキー板が刃先のない豆腐包丁と考え 〔図②〕を想像します。
両側で雪層の切れているところは 「剪断」 で切れているのです。

②切刃で麺帯を麺線に切るということ 

図③

切刃は本質的に「はさみ」のイメージです。
この本質は麺線を成形する場合のメカニズムを理解するうえで非常に大切なことであり角歯はもちろんのこと丸歯や包丁歯においても同じです。

もし麺帯にカミソリの刃を立てた場合のイメージは 〔図③〕のようになりカミソリを抜き取った後は麺帯の切り口の側面同士が引っ付いて“分かれて切れる”状態にはならないことが予想されます。

図④

“切刃で麺帯を麺線に切る”イメージは〔図④〕のよう「剪断」に切れるものと考えるのが妥当のようです。

逆切り(縦切り)

横浜家系や二郎系の麺を製麺する際に使われる手法で先ほど麺の厚さは麺幅の2/3とお話ししましたが、麺の厚さを麺幅より厚くする手法のことです。
この手法を用いるメリットは麺の厚さを厚くすることで切った断面を広くすることでスープの絡みがよくなることと茹であがりが早くなることです。
デメリットとしては無理やり厚い麺帯を切刃に押し込むため、切刃が壊れてしまうことです。

縮れ麺

縮れ麺を製麺機にて作成する方法としては、切刃にゴムをつけることで麺にウェーブがかかります。着けるゴムの厚さでウェーブが変わり、厚いほどよりウェーブがかかります。
ただ、ゴムでかかるウェーブの量は限られているため、製麺機でストレート麺を作成し、手で揉むお店も多くあります。

まとめ

今回は、求めている麺の幅や太さによって切刃の種類を選ぶ必要があるということを解説いたしました。

製麺機ドットコムでは、このような麺の種類に合わせた製麺機のご提案から「この製麺機を選ぼうと思っているけど、実際のところどうなの?」といったご質問などからお問い合わせいただけます。

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